学校だより

2014年3月の記事一覧

H26 3月号

 卒業式を目前に控え、学校全体が程良い緊張感に包まれています。これまでの3年間、温かく見守っていただいた保護者の皆様には、厚く御礼申し上げます。また地域の皆様にも陰に陽にご協力をいただき感謝申し上げます。お陰様で今年も、厳粛かつ感動に満ちた卒業式ができると確信しています。3年生の皆さん、これからも自信をもって歩んでください。

 講話~ことばを大切に
  学校生活の中で、心ないことばや汚いことばを聞くことがあります。また、そのことばだけを聞くと、悪い意味は無いのですが、ある状況の中では人を大きく傷つける場合もあります。人類は、ことばにより思考力を発達させ、文明を築いてきました。ことばの持つ力は皆さんの想像以上に大きいものです。今回の講話では、心ないひとことが少年を大きく傷つけたエピソードを動画をまじえて紹介しました

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 それは、金森先生が担任をした"なおくん"のことです。なおくんは勉強がきらいで、成績も良くありませんでした。ある日、金森先生は研究授業があるため、なおくんのクラスの算数の授業を自習にしました。計算の練習問題が終わったら、調べ学習でメモをしておいた内容を1枚の画用紙にまとめるという課題が出ていました。なおくんは、みんなより少し遅れて計算問題を終え、教卓に置いてある画用紙を取りにいきました。
 研究授業が終わって先生が教室に戻ると、たいへんなことになっていました。なおくんが椅子をみんなに投げつけていたのです。2~3個の椅子があたりに散らばっていて、なおくんは真っ赤な顔で頭の上に持ち上げた椅子を、さらに投げつけようとしていたのです。ちょうどそのとき先生が教室に入って来たのです。「なにがあったの?」と聞くと、遠巻きに見ていた他の子は「おれら、何もしとらんし」と言いました。
 「人間は、何もないのに怒ることはとうていありませんよ」と先生が言うと、こう答えたのです。「おれらは、"画用紙もったいないし" って言っただけや、たったそれしか言っとらんし。それだけで、なおはものすごい怒ったんじゃ」

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 なおくんの怒りのわけを想像できますか? 言ったのは「画用紙もったいない」ということばだけですが、これまでずっとばかにされていたなおくんにとっては、とうてい耐えることのできないひとことだったのです。
 話すことばには、その人の気持ちや感情、心が込められています。軽いことばを友達に投げかけた時、自分はその友達を軽く見ていることになります。そして軽い言葉を投げつけた自分は、誰よりも軽いのです。皆さんの口から汚いことばが出たときに、自分の心の汚い部分に気付き、それを正せるようになってほしと思います。そして正直で温かい心が現れたとき、皆さんのことばは、とても美しいものになることでしょう。
 ふだん何気なく交わすことばですが、学校や家庭、社会での生活の中で、ことばの大切さを十分にかみしめてほしいと思います。
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