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平成18年度より栃木市教育研究所所長を務めています。以前は、宇都宮大学教育学部教授 (カリキュラム開発学、社会科教育学) を本務として、宇都宮大学教育学部と連携しながら本教育研究所の支援を行ってまいりました。
平成18年度の就任直後、栃木市教育研究所が目指す3つの方向性を掲げましたが、それは現在も引き続き大切にしていきたいと思っているものです。
第一は、複雑化し深刻化している教育問題を深く 「考える」 機能です。 ともすれば対症療法に追われがちな教育現場に対して、長期的かつ幅広い分野で深く考えていく機能を担うことによって、学校や教職員、保護者の皆さんに指針を持っていただけるようにするということです。
第二は、さまざまな教育問題に全力で立ち向かっている教職員を 「助ける」 機能です。多忙化し追いつめられている教職員の助けとなるような研究所を目指し、教材センターや教職員の相談窓口になれるようなものにしていくということです。
そして第三は、教職員や保護者、その他の専門家が 「学びあえる」 場を提供する機能です。 法的に定められた研修だけでなく、現実の課題を持ち寄って学びあえる場が身近にあったら、教職員は明日への活力を再生させることができます。
研究部会の組織にそれらの機能を持たせるために、部会の名称や研究内容についても毎年のように変更を加えてきました。 栃木市の教育が直面する課題を敏感に反映し、学校や先生方の具体的な手助けになるような研究を行うためです。 それらの成果として、栃木市の小・中学校では、教員が主体的に学ぶことで授業研究の質と量が高まり、学校に活力が増してきたと思います。現在は、「授業づくり部会」「学びに向かう学級づくり部会」「児童生徒指導部会」「特別支援教育部会」4つの部会で研究を進めており、研究の成果や課題については、市教育研究発表会やホームページで広く先生方にお伝えしていきます。
今後も「この方向で頑張っていけば道が開ける」と思っていただけるような指針を示す研究所として、鋭意努力していく所存です。 どうぞよろしくお願いします。
松本 敏