栃木市教育研究所 所長あいさつ


 平成22年度に合併によって生まれた新しい栃木市の教育研究所所長 (非常勤) を務めています。 前身の旧・栃木市教育研究所でも平成18年度から所長をしていました。 本務は宇都宮大学教育学部教授 (カリキュラム開発学、社会科教育学) です。
 18年度の就任直後栃木市教育研究所が目指す3つの方向性を掲げましたが、それは新生教育研究所としても引き続き大切にしていきたいと思っているものです。
 第一は、複雑化し深刻化している教育問題を深く 「考える」 機能です。 ともすれば対処療法に追われがちな教育現場に対して、長期的かつ幅広い分野で深く考えていく機能を担うことによって、学校や教職員、保護者の皆さんに指針を持っていただけるようにするということです。
 第二は、さまざまな教育問題に全力で立ち向かっている教職員を 「助ける」 機能です。
多忙化し追いつめられている教職員の助けとなるような研究所を目指し、教材センターや教職員の相談窓口になれるようなものにしていくということです。
 そして第三は、教職員や保護者、その他の専門家が 「学びあえる」 場を提供する機能です。 法的に定められた研修だけでなく、現実の課題を持ち寄って学びあえる場が身近にあったら、教職員は明日への活力を再生させることができます。
 研究部会の組織にそれらの機能を持たせるために、部会の名称や研究内容についても毎年のように変更を加えてきました。 栃木市の教育が直面する課題を敏感に反映し、学校や先生方の具体的な手助けになるような研究を行なうためです。 例えば土曜日に 「ビデオによる授業リフレクション」 の講座を開設し、 「教師力」 「学校力」 の向上に役立てようとしてきました。 また、教員以外にも保護者や外部団体の方を 「専門委員」 として迎え、研究活動の充実をはかってきました。
 また、宇都宮大学教育学部との連携によって、中学校区単位の 「学力向上研究学校」 や小中一貫をめざした 「研究開発学校」 への支援を行ってきました。 それらの成果として、この5年間で、栃木市の小中学校では授業研究の量と質が高まり、小中学校の教員が互いに理解し合う機会が増え、学校に活力が増してきたと思います。
 合併によって広がった市域全体で、今後も 「この方向で頑張っていけば道が開ける」 と思っていただけるような指針を示す研究所として、鋭意努力していく所存です。 どうぞよろしくお願いします。

松本 敏
教育研究所について
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